CSV事例創出とクライアントのDX支援をけん引!若手ユニットプロデューサーが考える「ソーシャルクリエイター」とは

メンバーズ社内の「ソーシャルクリエイター(※)」にフォーカスした特別コンテンツ。
大手クライアントとともにCSV事例を創出している熊本祐馬さんにインタビューしました。

※ ソーシャルクリエイター
デザイン思考を持ち、ビジネスの推進や制度設計、アウトプットを通じて社会課題の解決を図ろうとするクリエイター(職人)志向性の高い人材のこと。

チームとして「DXというプロセスや考え方」で価値を提供する

ー熊本さんのチームの役割と、ミッションを教えてください。

みずほ銀行さまの各種デジタル施策を推進する専任チームです。業務内容は多岐に渡りますが、常駐でのDX推進支援やWebサイト上での非対面コミュニケーションの改善などをご支援しており、ユーザー起点でどのようなコミュニケーションを取れば最大限の成果が創出できるか、チーム全員が常に意識しながら日々業務にあたっています。

ーメンバーズ社内だけではなく、世間でも「DX」が盛んに言われていますよね。「DX」と言っても様々ですが、熊本さんが考えるDXとはどんなものですか?

顧客や社会が抱える何かしらの課題を解決するために企業が提供しているサービスをデジタル主体のプロセスで構築し、その提供効率を最大化することがDXであると考えています。DXという言葉は最近よく聞かれるようになりましたが、業務・サービスをデジタル化する取り組みそのものは「DX」が盛り上がる前から当たり前に行われていたと思っています。コロナウイルスの影響によって顧客接点や働き方が変化したことで、デジタル化への重要性が高まったことを皮切りに、そういった取り組みそのものに「DX」という言葉が定義された、というふうに捉えています。

課題の根本に戻り、ユーザーに寄り添ったコンテンツの設計でCSV事例 第3弾を実施

ー具体的にはどのような事例創出に携わったのでしょうか。

数年前からみずほ銀行さまでCSVアプローチでのマーケティング施策の推進を継続的に支援させていただいており、前年度で第3弾まで実施することができています。

僕がみずほ銀行さま案件の担当として携わったのは第2弾からになりますが、過去の経緯からお話しすると、不正利用を防ぐために提供しているワンタイムパスワードというツールの利用促進をしたいというご相談から始まりました。これまで行われていたような機能訴求ではなく、初めて社会課題訴求型のプロモーションとして実施し、利用者が大きく増加しました。

第2弾は、第1弾の内容をアップグレードして、ユーザーの申し込みごとに、紛争などを解決するNPO法人アクセプト・インターナショナルの社会貢献プロジェクトを支援するというコラボ企画を実施しました。

そして第3弾では、「不正送金被害0の根本に立ち返ろう」というところから企画を再構築しました。

これまでは企業が提供するシステムや仕組みをちゃんと広めて、ユーザーに使ってもらうことによって不正送金の被害を減らそうというアプローチをしていました。

ただ、今の実情を深堀りしてみると、実際被害が出ているのはフィッシング詐欺など、ユーザーひとりひとりのセキュリティへの理解が原因で起きてしまう事故がほとんどなんですよね。
企業側は日々セキュリティ対策への取り組みを強化していますが、企業側でどれだけ機能やサービスをアップデートしてユーザーに提供したとしても、それらを使う側のリテラシー次第ではセキュリティ事故を防げないという課題があったので、そこに目を向けた施策を打とうとなりました。
ユーザーも知識を貯められるようなアプローチに変えてみましょうと、第2弾までのワンタイムパスワードの訴求からコンセプトを大きく変更しました。

何をするべきかクライアントと詰めていく中で、メガバンクであるみずほ銀行だからこそ、堅苦しさを感じる「セキュリティ」というテーマを、ユーザーがいかに触れやすくするか、触れてもらう機会を作るかが大事なんじゃないかという話になりました。

そこで行きついたのがセキュリティに関するクイズ形式のコンテンツだったのですが、探すとすでにネット上にも色々あるんです。ただ、いずれも専門用語が多く、知識が浅い人ではとっつきにくい印象をもつものが多いと感じました。せっかく学ぼうとアクションしても、普段見慣れない人からしたら余計に分からないですよね。

そこで、実際の事例をベースにしたユーザー目線での設問をとし、ユーザーが手軽に回答できるような形式で届けることができれば、ユーザーのリテラシー向上に寄与できるんじゃないかと考え制作したのが「セキュリティ自己診断」でした。

ーよりユーザーに寄り添った企画設計から始めたんですね。その中で面白味を感じたポイントはありますか?

先ほども言った通り、セキュリティに関するクイズや質問には専門的なものが多くて、用語もよく分からない人もいっぱいいるなと思ったんです。試しに僕や担当のスタッフでも解いてみたんですが、答えるのが楽しいと思えるものがあまりなくて…。
知らない単語だけを知ったところで何になるんだろうと思う設問もあったので、今回制作した診断は「ユーザーが被害に遭いそうな状況に直面した時に、どういう対応をとるか」という視点で考えました。

実際にユーザーが陥りそうなパターンを考えて、その状況にとるべき行動とそうではない行動の2択から回答してもらうという形で、普段の生活に溶け込んだ実例をもとに作ったのが、クイズとして面白いところかなと思っています。

ーユーザーの陥りそうな状況を想定することが、第3弾の企画においては重要なポイントとなりますね。ユーザーインタビューなどは行ったのでしょうか。

今回は一般財団法人 日本サイバー犯罪対策センターというサイバー犯罪の研究やセキュリティ啓発を行っている団体とも協同でコンテンツの制作にあたりました。サイバー犯罪に関する様々な情報を共有いただいて、メンバーズで作った設問や犯罪に対する正確な対処方法などをレビューしてもらったので、かなり実例に近い情報をもとに作ることができたと思います。

新卒で入社して5年目。入社4年目でユニットプロデューサーとなった熊本さんが考える「自分なりのユニットプロデューサーとしての振る舞い方」

ーここまでは主に業務について伺ってきましたが、熊本さん自身についてもお話を伺えればと思います。
若くしてチームを引っ張る熊本さんですが、ユニットプロデューサーとしてどんなことを心がけましたか?

入社4年目でユニットプロデューサーに就任したのですが、そのタイミングで新しくみずほ銀行さまを担当させていただくことになりました。任命されてうれしい反面、何をすればいいんだろうというところからのスタートでした。

チームをまとめる者として、メインプレイヤーではなくマネジメントレイヤーとして、いかにチームメンバーに業務を棚卸しできるかが大事だと当時のマネージャーからよく指導いただいていましたが、なかなかうまくできず、結局自分で動くことを率先してしまうことが多くありました。

そういった状況に日々葛藤しながら業務に臨んでいましたが、3ヶ月程度たったある時、言い方がよくないかもしれないですがふっきれまして(笑)。責任ある立場になったからこそ自分なりの考えを持って取り組まなければ、自分、ひいてはチームのパフォーマンスも上がらないと、ある程度踏ん切りをつけて自分なりの最善の形で行動するようになりました。
ユニットプロデューサーが率先して動くことが正しい判断かというと今でも確実に正しいとは言い切れませんが、それでも自分にあったやり方に切り替えたことで前向きに業務に取り組めるようになりましたし、結果的に「自発的に動く」というチームの理念の構築につながったと思います。

ー自身もチームをリードしながら、「背中を見せる」というスタイルでチームを運営していこうと思ったのですね。他にチームビルディングのために、メンバーにかけた言葉はありますか?

チームのキックオフでは、ただ与えられた目標だけを共有するのではなくて、それに対する僕の考えとか、実現するためにみんなとどうありたいかを話しました。
ユニットプロデューサー昇格の半年後に再編成されたチームは、マネージャー含め入社5年目以下のメンバーで構成された若手中心のチームだったのですが、こういう体制にしてもらったことには意味があると考えました。まだまだ経験の浅い僕がユニットプロデューサーとして若いメンバーでチームを構成してもらったということは、「好きにやれ」って言ってもらっているような気がしたんです。

DXっていう大きな取り組みに関わるには、経験とか経歴とか今までの実績とかももちろん大事ですが、それだけじゃなく、そこに恐れず飛び込める若さゆえの力強さみたいなものも絶対に武器になるから、とりあえずやろうと。考える前に手を動かして、分からないことがあったらすぐ頼れる先輩や他部署の人たちにも聞いて、自分たち一人ひとりが自立して進めるチームになろうという言葉をかけました。

結果、半期を通じて、メンバー一人ひとりが本当に主体的に業務にあたってくれましたし、とある商材のDX推進支援など、新しい領域のご支援も増えました。上長からも期の終わりにチーム全体へ良いフィードバックをもらえたので、そのスタンスで良かったと思うことができましたし、メンバーに対しても、自分自身に対しても成長を実感できた半期でした。

CSVを実践するソーシャルクリエイターに求められるものとは「自身の仕事によって課題解決されている状態をイメージできること」

ー熊本さんが担当しているみずほ銀行さまは、CSV事例を多く創出している印象があります。熊本さん自身は、CSVや事例創出についてどう考え、取り組んでいますか?

CSVはマーケティングの手段の一つだと考えています。もちろんCSVの思想には共感していますし、現在みずほ銀行さまとの取り組みに関わらせていただいてることをとても嬉しく感じていますが、CSV型でない案件についても熱量は変わらず、フラットに捉えています。

一方で、第3弾のCSV案件をメインで担当したのは20新卒の社員なのですが、彼女はCSVに強い志を持っています。社会に対して自分がどう影響をもたらすかとか、何か力になりたいという思いを持っているので、第3弾のプロジェクトの企画当初は、僕よりも彼女が考えるCSVアイデアを軸に検討することが多かったです。もちろんビジネス視点でのブラッシュアップなどサポートが必要な部分もありましたが、とはいえ社会課題に対するアンテナは高く、生まれるアイデアも僕では思いつかないことだったので、イチ同僚として負けていられないなと感じています。
ありがたいことに、みずほ銀行さまと取り組みを継続させていただいているので、更により良い企画にしていけるよう、どんどん若手メンバーの考え方を吸収しながらレベルアップしていきたいです。

ー「ユニットプロデューサーとして求められる振る舞いをする」と話していましたが、ではCSVを実践する熊本さんが、「ソーシャルクリエイターとして求められている姿」は思い描いていますか?

「ソーシャルクリエイターとは」ってとても難しいですよね。けど、特別な技能が必要ってわけではないと思います。
ビジネスの本質は、クライアントや我々がやっている事業も含めて、そもそも何かを解決するためにあると思っています。だから今取り組んでいる仕事を、単純な制作仕事とかお金を稼ぐための仕事ととらえるのではなくて、その先の「課題が解決されている状態のイメージを持てているかどうか」が大事だなと思っていて、その目線を、気候変動とかの社会課題の方にまで広げて考えられる人材がソーシャルクリエイターと呼べるのではないかなと思うんです。
そのため、仕事が大きく変わるわけではなく、今までやってきたことも、今やっていることも、ソーシャルクリエイターやDXにつながっているはずです。会社や社会で、改めてこういった言葉として定義されることは、それそのものの重要度が高まったことの裏付けであり、これからは当たり前にそれらを理解し、考え方をアップデートして取り組んでいかなければならない。そんなメッセージだと思っています。

取材を終えて

立場や環境が変わっても、自ら意味を見出して、チームに還元し、けん引する熊本さん。CSVという難易度の高い事例に携わる裏には、柔軟に考え方を変えながら目標に向かって進む強い姿勢を感じました。
本日は貴重なお話をありがとうございました!

この記事を書いた人

熊本 祐馬

熊本 祐馬

株式会社メンバーズ EMCカンパニー所属 プロデューサー 17年新卒入社。コンテンツ企画から新規サイト構築まで、Webに関する大小様々なプロジェクトのディレクション業務に従事。趣味は動画制作とゴルフ。

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