アナロジカルマッピングでヨガとクレジットカードの価値を比較してみた

こんにちは!エンゲージメント・ファースト室の國村です。
今回ご紹介する「CSVラボ」では入社1年目から4年目までの若手中心で、「CSVとは?」というなにげなく使っている言葉への疑問を対話したり、CSVアイデアの種となる見つけていく活動を行っています。この記事では、CSVアイデアの種を見つける際に行ったワークの内容をお伝えします。

CSV:Creating Shared Value(共通価値の創造)の略。企業の競争戦略論の世界的第一人者として知られる米ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が提唱した概念。CSVとは、「社会的課題の解決と企業の利益、競争力向上を同時に実現させ、社会と企業の両方に価値を生み出す取り組み」を意味します。

興味はどこから?おすすめ事例から相互理解

アイデアの種を、まったくの無から生み出すのではなく、すでに世の中に出て評価されているプロモーションやCSV施策から探っていくことを1つの目的に、複数回にわたって活動を行っています。活動はすべてオンラインで、ホワイトボードツールMiroを活用しています。

まずは、どんな事例を参考にするのか、ラボメンバーの興味関心をもとに題材を決めるところから始めました。
それぞれが推す事例をまずは出していきます。このとき文字での説明だけでなく、キャンペーンや実際の商品の画像を見えるようにして、視覚的な情報も共有します。この段階ではそれぞれのアイデアのビジネスモデルなどの詳細までは踏み込まず、キャンペーンに対して個々人の考えや感じること、疑問などを付箋に書き出し、共有します。ラボメンバーが集まってから初めての活動だったので、他のメンバーの興味関心を知るという意図も含まれています。

Yahoo!が毎年行っている東日本大震災に関するキャンペーンや話題になった「注文を間違える料理店」、廃棄を考えるロスフラワーを取り扱うサービス、ドミノピザが海外で実施した道路修繕のキャンペーンなど幅広く出てきました。最終的に取り扱う事例として、スウェーデンの企業DoconomyによるモバイルバンキングサービスDOとPANTENEによる広告に決定しました。

参考:取り扱った事例
DO
PANTENE

CSV_casestudy

価値を軸にして比較すると、もっとこうすれば…が出てくる

ネットで検索すれば、事例に関するあらゆる情報が出てきます。一方で、見えないつながりや類似性も、アイデア発想に大事な要素の1つではないでしょうか?
事例を理解するにあたって、基本的な事実は事前のリサーチで、そして見えないつながりをオンラインミーティングでディスカッションすることにしました。
時間配分としては、事前のリサーチが30分から1時間、実際のオンラインミーティングは2時間前後でした。ミーティングで取り上げた事例数が少なく、時間をかければもっと深掘りすることもできたかもしれません!

今回のワークで使ったのは理解のためのアナロジーであるアナロジカル・マッピングという手法です(イベントレポートですが、アナロジカルシンキングを理解できるプログラムについてのnoteを掲載しておきます。「アナロジカルシンキングに必要なこと」)。
詳しい説明は割愛しますが、ターゲットへの理解をより深めるため、利用者が感じる価値や効果が似ている他のモノを使って、2つの違いや共通点を考えるということを行いました。ビジネスモデルや商材ではなく、ユーザーが感じる価値を軸にすることで、「まったく違う特徴を持つ製品やサービス」と、「より深く知りたいターゲット」とを比較できます。

まず初めに、スウェーデンの企業Doconomyが提供するDOカードを題材に、理解のためのアナロジーを実践してみました。
DOカードに対してユーザーが感じている価値や社会にもたらしている価値、メンバーが考えるものをそれぞれ書き出します。似ているものもいくつか出てきたので、雑談ベースで話しながら近しい価値観を近づけていくと、価値のかたまりが見えてきます。

csv_value

次に、代表的な価値を表すふせんを3つほどピックアップし、その価値を提供しているだろうと思う製品やサービスを出します。ここではDOカードのことはいったん忘れて、まったく違うタイプの製品やサービスを出していきました。
(例:ホテルミラコスタや茶道、就職活動など。)

analogical_thinking

出した製品やプロダクトから選んだモノとDOカードを比べてみます。実際に「ステータス」という価値で想起された「かわいいことで有名な学校の制服」という特定の製品との比較や、「自分の知らなかったことに気づく」という価値で想起された「ヨガ」との比較を行いました。比較の中でさまざまな違いや共通点が参加者から出てきました。例えば、時間をかけて今の自分の心や身体の状態を知ることが重要なヨガに比べて、DOカードは短時間での情報の提供、購買でどれほどのCO2を排出したかすぐわかることが特徴です。ここでは時間軸の違いとして扱いました。
さらに、比較対象の製品・行動にあって、DOカードにないものがアイデアの種になっていく様子もメンバーの話の中に見えました。例えば制服特有の個人によるアレンジや経年変化をカードに落とし込むとどうなるか?という仕様の可能性が出てきました。

analogical_mapping

実際のワークに参加したメンバーの感想

どのワークもチームでアイデアや考えを持ち寄るので、とても刺激的でした。
特に、類似性や相違点を考えるワークは、新しい視点からモノゴトを捉える練習になり、新鮮でした!(2020年入社 中村)

最後に

CSVアイデアを考えるのも具現化するのも本当に難しい!と業務の現場で感じているからこそ、ラボ活動では実験的に、さまざまな手法を活用してアイデア創出にチャレンジしていきます!

「ラボ」とは

社員の業務の場以外でのスキルアップ支援を目的に設けられている、様々な活動に自由に取り組むことを推奨している制度(ラボ活動制度)です。

この記事を書いた人

國村 友貴子

國村 友貴子

2020年入社。近いうちに畑を耕すことを夢見ているソーシャルクリエイター。グラフィックレコーディングやワークショップなどさまざまな手法でアイデア実現を導きます。目指す社会の実現に向けて一歩ずつ前進しています。

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