2020.5.21
デジタルの力で保護猫を救う!猫ブームの裏に隠れた社会課題解決への取り組み
2012年以降から続く“猫ブーム”。今やテレビや雑誌、SNSの中で猫を見かけない日はありません。猫の経済効果が年間2兆3,100億円(2015年時点)と言われ、猫の日とされる2月22日には、Twitter上で1日で約240万の言及がなされるなど、莫大な影響力を持っています。
これらのブームと並行して問題視され続けてきたのが「保護猫」の問題。ペットとして迎え入れても面倒を見切れない、繁殖を行うビジネスが増えるなどの要因から、日本で殺処分をされてしまう猫は年間で3万757匹(環境省自然環境局平成30年「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」より)にものぼっています。数値は減少傾向にはあるものの、これは犬と比較するとおおよそ4倍の数であり、まだまだ深刻な状態。様々な企業や団体が多方面から課題を解決するための取り組みから、本日は5つの事例をご紹介します。
保護犬猫と迎えたい人を「結ぶ」マッチングサイト
OMUSUBI
団体が保護している保護犬猫を掲載。実際にマッチングが成立した家族のエピソードや相性診断などコンテンツも豊富。
里親募集のためのSNSコミュニティ
ネコジルシ
猫の里親を募集しているユーザー自身が対象の猫の情報をポスト。保護猫だけでなく、事情があって飼えなくなってしまった猫についても募集がされている。
AIで顔を診断、自分とそっくりな猫と出会えるアプリ
NYAPPLING
顔写真をアプリにアップロードすることで、あらかじめ登録されている保護猫から相性の良い猫が表示される。アプリ内で連絡先も知ることができ、コンタクトを取るところまで完結可能。
累計約25万件のUGCを創出したSNSキャンペーン
花王株式会社「#とろねこチャレンジ」
眠る猫の写真や映像をInstagram、Twitter上で募集。1投稿につき10円が保護猫の譲渡活動に寄付されるという仕組み。キャンペーン期間が終了しても継続してユーザーからの投稿が行われている。
国際協力NGOが開催したInstagramキャンペーン
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン「#保護犬猫を迎える選択肢」
Instagram上で愛犬や愛猫の写真とエピソードや、保護犬猫を迎えることについての想いなどを募集。ユーザーからは1,000件以上もの投稿がされた。
編集後記
今回は「“マッチング”を軸に出会いのきっかけを創出するサービス」と「UGCを創出するコミュニケーション設計で、課題の周知と解決を目指すキャンペーン」の2つの軸で、保護猫問題に対するデジタル上での取り組みをご紹介しました。
既存のアイデアを課題に応用することやユーザーから受け入れやすいアプローチ方法の実践など、ご紹介した事例のようなデジタル上での“仕組みづくり”が実現できれば、新たなサービスやエンゲージメントを創出し、他の課題の訴求や解決にも発展していくことが可能です今回のように、ブームの裏側では新たな問題も浮き彫りになってくることが多くありますが、独自の視点からそれらを解決に導いていくことこそ、クリエイターにできることではないかと感じました。
この記事を書いた人
岡 夏子
2018年4月メンバーズ入社。SNSチームでアカウントの立ち上げや運用に従事。 緑色を愛するミドリストで、週末は靴磨きに勤しむ日々を送っている。