店舗型ビジネスのマーケター必見!MEOの始め方

はじめに…MEOとは?

MEOとは、Map Engine Optimization(マップ検索エンジン最適化)の略で、主にGoogleマップ向けの地図エンジンでの検索結果が競合他社の店舗情報より上位に表示されるように対策を行うことです。
自身が提供するビジネスの認知度を拡大し、来店などのオフラインCVや、Webサイトからのお問い合わせといったオンラインCVにつなげることを目的として実施します。

「ローカル検索」「ローカルSEO」とも呼ばれ、店舗ビジネスや地域ビジネスにおいては、Webマーケティング上の重要施策となります。

MEOがマーケティング上の重要施策として注目されるようになったきっかけは、Googleの調査結果で「スマートフォンの普及によってGoogleMapを利用して目的地を探すユーザーが増えた結果、今では44%のユーザーがGoogleMap経由でお店を探している」という結果が発表されたためです。
参考:
https://kstatic.googleusercontent.com/files/82c56387b4c934a8bbfd63d92f52ef6ba5ec79e1b07512308baffb5101a61860bd4606b0746253cf580bc49a648060649c2c091acbea419b4fe74076a3b5738f

MEOとSEOの違いは?

MEO(マップ検索エンジン最適化)とSEO(検索エンジン最適化)は、名前の通りマップ検索における上位化と、自然検索における上位化という点で異なります。

つまり、MEOは「Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)を上位表示させること」であり、SEOは「Webサイトを上位表示させること」であると言い換えられます。

また、MEOの特徴としては「同一キーワードでも地域や場所によって検索結果が異なることを考慮した対策ができる」ことが挙げられます。

実店舗でのサービスを行っているビジネスであれば、基本的にどのエリア・業種でも対策は可能になるため、SEOと違い商材や業種によって向き不向きがなく、実店舗を持つすべての業種で対策可能と言えます。

MEOのメリット・デメリット

MEOには以下のメリット・デメリットが存在します。

▼メリット

1.SEOより検索結果の視認性が高い

現状、MEOで上位表示されると、マップと一緒に検索結果の最上位に表示されます。これはスマートフォンでの検索結果で特に顕著な傾向で、ファーストビューに表示されることで効果的に認知してもらえるようになります。視認性が高ければ当然クリック率も高くなり、来店までの誘導を効率的に行うことができます。

2.来店見込みの高いユーザーに訴求できる

「地域名+○○(業種・サービス)」のキーワードで検索するユーザーは「検索キーワードに入力した地域にある、○○(業種・サービス)の店舗に行く可能性が高いユーザー」と予想できます。
また、地域名を検索キーワードに含めていなくとも、前述した通り、「同一キーワードでも地域や場所によって検索結果が異なる」ため、現在地からGoogleの評価上最適だと判断された情報が表示されます。
つまり、来店見込みの高いユーザーに効率的に訴求することができます。

3.店舗に来店する際に必要な情報を、網羅的に掲載することができる

検索ユーザーが店舗を探す目的は人それぞれです。
「電話をかけたい」、「現在地からの経路を確認したい」、「店舗内の写真を見たい」、「口コミを見たい」など、検討段階によって目的は変わっていきます。

MEO対策では上位表示だけでなく、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)を利用して店舗情報を充実させるため、これら全ての行動を検索画面上で完結させることができます。
口コミや写真などを見てそのまま電話や経路検索ができるため、検索ユーザーの直接来店に結び付けやすくなるのです。

4.SEOに比べて競合他社が少なく、施策の成果が出るまでの期間が短い

通常SEOで成果を求めると半年から1年ほどの期間が必要となり、さらにはその期間で必ず成果が出るという確証が得られないのがSEOの難しい点です。それは、ネット上のあらゆる企業が競合他社となってしまうためです。
それに対して、MEOは早ければ1週間ほどで成果が出ます。MEOの場合、競合となるのはその周辺エリアの競合他社のみであるため、施策の成果が出るまでの期間が短いです。

▼デメリット

1.ネガティブな口コミが投稿される可能性がある

Googleビジネスプロフィールに店舗情報を登録すると、GoogleやGoogleマップを利用するユーザーから口コミが投稿されることがあります。その際に、ネガティブな口コミが投稿される可能性があることも想定したうえで、「すべての口コミに返信するか否か」や「ネガティブな口コミが投稿された際の対応」などといった、運用の定義を事前に検討しておく必要があります。

2.対策できるビジネスが限られる

MEOは、飲食店、宿泊施設、塾・予備校といった、実店舗を持ちユーザーが来店することでビジネスが成り立つ事業者に向いています。そのため、実店舗を持たないWebサイトの運営を行う事業者や、口コミが投稿されにくい業態の事業者は対策方法が限られてしまいます。
事業のビジネスモデルを考慮した結果、MEOよりもSEOの優先順位が高いこともあり得るのです。

MEO対策で重要視すべき観点

Googleマップでは店舗や企業情報を「Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)」で管理しています。
基本的にMEOの評価は、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)に登録される店舗名・営業時間・場所・カテゴリなどの情報の正確性や、ユーザーからのクチコミ評価などを基に【関連性・距離・知名度】の3つの観点で総合評価されます。

【関連性】

「関係性」は検索キーワードとGoogleMapに登録されている店舗情報にどれだけ関係性があるかを表したものです。関連性を高めるにはGoogleビジネスプロフィール内を充実させ、その中にキーワードを盛り込むことが重要になります。
どういったキーワードで検索されているのかといった分析と、どのような検索キーワードに対してMEO対策をしたいのかといった検討を行う必要があります。

【距離】

「距離」は検索キーワードに対して店舗の住所がどの程度離れているかを表したものです。店舗側でコントロールができないため対策はできませんが、影響力は比較的低めです。
「検索地点から大きく離れた地域のビジネスはやや上位表示しにくい」といった程度の認識で問題ありません。

【知名度】

ビジネスの情報がどれだけネット上で取り上げられているかの指標になります。
Googleビジネスプロフィールだけの対策では知名度そのものを向上させることは難しいため、SNSでの情報発信やブログなどで言及されることが効果的とされています。

このように、MEOで上位表示されるには上記の3つの観点を意識して行う必要があります。次に具体的な対策方法についてです。

MEO対策の具体的な施策、手法

1.Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)に登録する

MEOはGoogleビジネスプロフィールの最適化といっても過言ではありません。そのため、まずGoogleビジネスプロフィールに登録する必要があります。

GoogleMapは事業者が登録していなくても、Googleが独自に店舗を登録しているケースがあります。GoogleMapで屋号検索を行い、表示されれば登録済みとなります。
すでに店舗が登録されている場合は、「このビジネスのオーナーですか?」というリンクから自分のGoogleアカウントにオーナー権限を付与してもらうようにGoogleへ依頼し、ハガキ・電話などで確認作業が行われます。
登録されていない場合は、新規で登録作業を進めていきます。

登録の際に気を付けるポイントとしては、「NAP情報を統一すること」です。NAP情報とは、Name(会社名・店舗名)・Address(住所)・Phone(電話番号)の3つを示した言葉で、これらの情報を正確に登録することがMEOでは重要とされています。
NAP情報の統一が重要である理由として、前述した「知名度」が関係しています。Googleは「知名度」の高いビジネスを高く評価し、上位表示させます。その「知名度」の判断基準として、「ネット上でそのビジネスのNAP情報がどれだけ取り上げられているか」が要素の一つに挙げられます。
その際に、例えば、公式サイトでは店舗名がアルファベット表記であるにも関わらず、Googleビジネスプロフィールではカタカナ表記となっているなどといったNAP情報のバラつきがみられると、別のビジネスと判断されてしまい、実際より低い知名度であるとGoogleに判断されてしまいますので、注意が必要です。

2.写真の投稿などでプロモーションする

基本情報の登録のほかに、「投稿」機能でプロモーションを行うことができます。直近実施しているキャンペーン情報やクーポン情報などを投稿することで、集客に繋げることができます。期間を指定して投稿することができるので、「キャンペーン期間が終了しているのに掲載したままだった!」ということも防ぐことができます。

3.ユーザーと交流し、口コミを集める

ユーザーからの口コミは店舗をよりよくするための貴重なフィードバックです。口コミが投稿された際は、その口コミに対して返信することで「この事業者はユーザーの声にきちんと反応する」と認識され、口コミを集めやすくなります。したがって、ポジティブな口コミだけでなく、ネガティブな口コミにも真摯な対応を心がけることが重要です。もしネガティブな口コミが投稿された場合でも、真摯な対応を行うことで悪いイメージの定着を防ぎ、さらなるネガティブな口コミを予防する効果も見込めます。

まとめ

MEO対策で重要な点をまとめてみました。MEOはSEOよりも費用対効果が高く、早ければ1週間で成果が表れるため、競合が少ない今、店舗ビジネスを行っている事業者はぜひ取り組むべきWebマーケティング施策です。
また、MEO対策に特化したツールを提供しているベンダーも増えてきているので、店舗数が多いなどといった懸念から運用をあきらめていた事業者の皆さまも、そういったツールを活用してMEO対策を始めてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

荻生 佳奈

荻生 佳奈

2017年にメンバーズに新卒入社。分析から運用などを担当するWebディレクター。

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