メンターの役割について考える「メンター研修」実施レポート

「メンバーズが求めているメンター像とは?」「業務上のメンターの役割とは?」など、メンティーもメンターも両方成長するための育成の考え方を学ぶメンター研修。人材開発・組織開発を行うラーニングエージェンシーの方を講師に迎え、6月16日、25日の2日に分けて行われました。
私は今年初めてメンターを務めるため、メンターの役割や効果的な教育を知りたい・考えたいと思い受講しました。

講座の目的

まずはzoomでのアンケート投票や、グループに分かれて自己紹介などのアイスブレイクから始まり、講師から以下2点の講座の目的が共有されました。

①メンターとしての心構え・やるべきことを「体系的」に学ぶ
→体系的な知識+経験を組み合わせて考える

②テレワーク下でのOJTについて、他のメンターの工夫や悩みを聴くことで気づきを得る
→当たり前の行為もみんなの気づきになる!

いよいよ本題に入ります。

研修の目的

OJTとメンバーズでのメンターの役割とは

OJTは簡単に言うと「仕事上で必要な知識・技術を習得させること」ですが、より詳細には、部下・後輩の成長のために、日常業務を通じて意図的・計画的・継続的に行う指導であると教えていただきました。
それに加え、企業毎にメンターに期待されていることがあるとのことで、参加者で考えられる回答をやり取りしながら、役割として達成しなければいけないことも改めて認識できました。

講師からは今のメンバーズのOJTで期待されていることとして、次の3点が共有されました。

・メンターが与えるインパクトの大きさの理解
全社員の1/3がメンターになり、今後のメンバーズを担うメンバーの育成は非常に影響が高い

・業務のレクチャー・フォロー
仕事の段取り、やり方を逆算しTO DOに落として教える

・新入社員の心身コンディション把握
残業が多すぎる、人と話さなすぎることなどで体調を崩さず、健全に仕事ができるようにサポートする

メンターに期待されていることとは

OJTには流れがある!!

「メンティーの将来から逆算して育成すること(『育成計画を立てる』という)」で、より効果的な育成ができると教えていただきました。ここで後述する育成の4つのポイントが共有されました。
それぞれについて細かく見ていきます。

ポイント1 業務の量と質の選定――どんな仕事を任せるか選ぶ

以下4項目を基に仕事を選定することが大切と教えていただきました。

a. 育成ゴールを設定する
誰にいつまでにどうなってほしいかをスキル目線と熟達レベル目線に着目し決める。
(理想的な先輩、職能などから考えると考えやすいとのことでした)

着目点① スキル目線
正しいやり方:知識・ルール(〇〇を知っている)、実践・技術(〇〇ができる)
正しい態度:基本姿勢・価値観・判断軸(●●の姿勢を認識し行動できる、●●する習慣が身についている)

着目点② 熟達レベル目線
※OJTに特化した例で以下に記載
手続き的熟達化:担当業務を指導者のサポートを得ながら遂行
定型的熟達化:担当業務をルール・基準に基づいて完遂、担当業務おける改善提案
適応的熟達化:イレギュラーへの対応、新しいやり方を含めた業務、担当業務を越えた改善提案、異常時における再発防止策の提案
創造的熟達化:日々の業務の指導、新しいやり方を確立して仕組み化、上長業務の一部を代行

b. 新入社員の現状を把握する
以下3点に注目してヒアリングを行うと、メンティーの中身、教育に必要な情報を把握することができるとのことでした。

ⅰ. 知識・スキル・経験:必要な知識・スキル・経験と現状の差はどの程度か
ⅱ. 本人のモチベーション・希望:苦手意識、やりたい/できればやりたくない、キャリアイメージ
ⅲ. OJTの対象業務以外の他の業務:他業務の忙しさ、難易度、OJTで取り組む業務の優先度

手続き的熟達化の状態で高いレベルの業務を任せられ、抽象的な指導しか行わない場合は、不安が募るばかり…といった風に、熟達レベルと業務にギャップがあると、仕事に嫌気がさしてしまい、成長するどころかモチベーションが下がってしまう…。気を付けたいと思いました。

c. ゴールから逆算して中間目標を設定する
まずは大きすぎる目標を立てずに、細かくゴールをつけていくことが、メンティーのモチベーションも保ちながら教育することができると教わりました。
やり方としては、「OJTの対象業務を分解し、指導の順番を決定する」方法とのことです。
(例)法人営業業務において、1年後までに1人で受注できるようにする

d. メンター1人で育成業務を抱えない
人は仕事経験が7割、他者が2割、インプットや研修が1割で成長すると聞き、改めて1年目の伸び盛りはメンターが担う部分が多いと驚きました。メンターだからといって、責任を背負いすぎず、メンター以外の上司・先輩・同僚など、職場の様々な人の関わりの中で新入社員は育つため、チームメンバーに協力を募って意図的に仕事を選ぶことが大切と知りました。
協力依頼できるものの例)メンターの立てた育成計画のレビュー依頼、メンターの苦手分野のフォロー依頼

ポイント2 業務指示・依頼――選んだ仕事をどんな風に渡すか(一部作業を工夫してもらう)

業務指示・依頼は業務が忙しいからといって雑に依頼しがち…ですが、それだと意図的ではなく成長に繋がらない!新入社員への業務指示・依頼には4つのステップを踏むと効果的であることを学ぶことができました。

a. OJTのゴールを伝え、理解してもらう
b. 業務の進め方を説明し、理解してもらう
c. 業務を一通りやってもらい具体的にイメージしてもらう
d. 業務遂行中のコミュニケーションプランを伝え、理解をしてもらう

全てを通して原則・原理を意識して指示すると、判断基準を教えることができ、メンティーが業務の肝をつかみ自分で考え判断できる領域が増えていくとのことです。 ティーチングとコーチングを交互に使うことも有効であると知ることができました。

ポイント3 業務遂行支援――任せた後のフォロー(現状を聞く)

どのくらい介入するのか、委任するのか、いつも迷って結局途中で巻き取ってしまうこともありますが、それではメンティーが十分に達成感を得ることができません。では、どう対応していけばいいか、考えました。
答えとしては、「長期目線(対象者の成長)と短期目線(仕事の効率)で常に考え、最適な選択をする」というものでした。
長期目線はメンターに影響が及ばない範囲で見守る、短期目標は納期品質を保てる範囲で見守るといったものでした。
品質を保つため、仕事を巻き取る場合でも理由を伝えることが大切とのことでした。(影響や次どうなるかを踏まえて伝えること、影響範囲を伝えることが必要、ともおっしゃっていました)

上記に関して、一通りやることは自信にもつながり大切だということを自分の経験とも照らし合わせて、再認識することができました。

ポイント3 内省支援――新人の失敗を振り返りする

内省をしないと成長が鈍化…業務経験を通じて得たものを今後の仕事で効果的に活かすことができません。内省のくせを付けることが大事とのことです!
メンターとして効果的な内省方法を知ることができました。

a. 内省方法のコツ

ⅰ. 詳細に出来事を思い出してもらう
ⅱ. 言語化してもらう
ⅲ. 内省の習慣を身につけてもらう

b. やり方:1on1など活用して行うといいかも!

ⅰ. 導入の質問:どうだった?
ⅱ. 良い点の振り返り:どうやって、どうしてできたと思う?ねぎらいながら
ⅲ. 反省点の振り返り:何がどうしてできなかった?次やるならどうできそう?最後まで聞くことが重要
ⅳ. 今後に向けて:次にやるならどうするのか、アドバイスするならここ!

感想

講座を通して、育成を行う際に「目標に向かって逆算して計画をする」ことの大切さを特に理解することができました。
また、講座最後に、1on1面談のやり方を実際にワークショップ形式で行うことにより、よりイメージしてヒアリングとアドバイスをする流れを体で理解することができました。しかし相手の悩みを細分化し、その悩みに合ったアドバイスをするのが、経験として十分にない場合は難しいところもあるのではないかと思ったため、こういう時にこそチームメンバーにもヒアリングをしてチームで一緒に解消していければいいのではないかと考えます。今後の1on1に活かしたいです。

メンターに任せられている役割の温度感がやはり言葉でしか把握できていなかったため、チーム全体で育成すると分かっていても、担当案件の引継ぎは一人で教えるという思考に自然となってしまっていましたが、メイン担当の案件引継ぎも細分化したタスクで得意分野の人に協力してもらっていいのだと少し心が軽くなりました。

メンターを務めている中で特に不安だと思っていたことに、リモートワークで直接会って話をしていないため、メンティーが本当は不安を抱えていないのか、相談をしたいことがないのかなど、温度感を本当に読み取れているかというものでした。
また、自身の業務でメンティーの状況を把握できず、手を空かせてしまうこともあるため、どのようにその時間を対応してもらったらいいかということも不安に思っていました。この講座では各参加者の取り組んでいるコミュニケーションもチャットやグループワークで共有できたため、今回学んだ気づきを今後に活かしたいです。実際に、「こまめに仕事の進捗を報告してもらう」や「報連相の手段を使い分けてもらう」といった取り組みも実施したいと思います。

この記事を書いた人

菊地 真由

菊地 真由

2018年メンバーズに新卒入社。1年目は構築ディレクターで現在は運用ディレクターを担当。趣味は旅行とYouTubeでメイク動画を見てコスメを集めること。好きなものはムーミンとワイン。

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