2022.11.29
若手向け!デザインディレクションにおいて意識するポイント(前編)
初めに
本編ではディレクター2年目の視点から、デザインディレクションにおいて意識すること、また意識できれば、一人前のデザインディレクターへの道も夢じゃない!そんなことも共有できればと思います。
この記事は特に、以下のような方にお勧めです。
- どんなデザインにしてほしいのか、どこまで考えれば良いのか分からない
- 自分にはセンスがなく、デザインの知識が全くないからディレクションがうまくできるか不安
- 要望がまとまっても、デザイナーにどのように伝えれば良いのか分からない
- デザイナーはどのような原稿だとうれしいのか分からない
これらの疑問、不安はディレクターになりたてのときは多くの方が持つものだと思います。
今回の記事では、初めの2つについて記載していきます。
この記事の読了目安時間は5分程です。気軽に目を通してみてください。
デザインディレクションとは
デザインディレクションとは、写真やイラストを使用した視覚的な効果を持たせるためのグラフィックデザインの制作がある際に、施策の目的を最大限果たせるデザインを制作できるよう、ディレクターが関係者各位を巻き込んで舵をとることだと考えます。
そこでデザインディレクションで、私が重要だと考える流れを4項目に分けてまとめました。
4項目は以下の通りです。
- ゴールを明確化させる
- キーワードを洗い出す
- ディレクターとしての意見をまとめる
- デザイナーへ伝えるために参考を探す
では一つずつ詳しく見ていきましょう。
①ゴールを明確化させる
ここで記載しているゴールとは、「どのような成果をあげたいのか」という施策の目的を指しています。少し分かりにくいため、例で説明していきます。
例えば「母の日」ギフトを売り出すキャンペーンがあり、そのキャンペーンの広告を制作することになりました。キャンペーンにまつわる情報を集めてると、これらのようなことが分かりました。
- 「母の日」ギフトの商品を売るお店はオフィス街近くの駅ビル
- そのお店で売っている商品は20代から30代の女性、男性が買えるような少し高級なもの
これらの情報から、ディレクターとしてゴールを考えていきましょう。
今回は「オフィス街で働く20代から30代の女性、男性に買ってもらう」ということをゴールとしておくことができそうです。施策のゴールの設定方法はペルソナを設定し、もっと深く詰めていく方法などもありますが、今回は割愛させていただきます。
②キーワードを洗い出す
次に、①で出したゴールを目指すために、必要となる広告のデザインを考えていきます。
設定したゴールから、デザインのヒントを見つけるために「キーワード」を考えてみましょう。
今回の場合は「20代から30代」「女性、男性」「少し高級商品」の3つがキーワードとなりそうです。意識すべき点が明確になりましたね。
③ディレクターとしての意見をまとめる
では、洗い出したキーワードからデザインのヒントを考えるべく、ディレクターとしての意見をまとめましょう。
- 20代から30代がターゲットのため派手すぎないほうが良い
- 落ち着いているほうが良いのかも
- 女性にも男性にも見てもらえるものが良い
- 少し高級なもの、だから「高級感」を出し過ぎたくない……
先ほどの3つのキーワードから上記4点の意見が出てきました。
これらをすべてデザイナーへ報告しましょう。
④デザイナーへ伝えるために参考を探す
先ほど③にて記載した意見が出ましたが、「派手すぎない」や「落ち着いている」などの言葉はどうしても共通認識が持ちづらく伝わりにくい部分です。そのため、見た目で伝えるために参考資料を探します。
詳細は後編の記事にて記載しますので、そちらでご確認ください。
この工程は難易度が高く難しい箇所かと思いますが、何度も資料を探して、うまく行えるようになると重宝されるディレクターになると考えています。
①~④の工程を順に行うと、自然と向かいたいゴールに向かって筋道が立ってくるかと思います。もしも途中でぶれてしまったり、方向性が分からなくなったりしてしまったら、また①から考え直して、本来の目的を見つめなおしてみてください。
キーワードを洗い出したり、参考資料を探したりすることは難しいと思いますが、繰り返していけば「コツ」がつかめてくると思いますので、①~④の工程を何度も丁寧に繰り返し行うよう挑戦してみてください。
デザインとは
前述したとおりに、今回のゴールである「どのような成果をあげたいのか」という施策の目的やデザインについての意見を、ディレクターからデザイナーへ伝えます。
デザイナーはそのゴールに向けて最も効果が出るデザインに形作って行きます。
デザイナーは色・文字組・あしらいなどについて、色々な形にするための知識を持っています。いわば表現のプロです。
そのため、ディレクターはデザイナーの意見をもらいながら一緒に形にすることを目指しましょう。
④の工程で悩んだときもぜひ相談してみてください。
まとめ
デザインディレクションとは、ディレクターが、クライアントとデザイナーとの橋渡し役をしながら、施策の目的に沿った理想のデザインを実現するべくリーダーシップをとることです。
方向性のかじを取るのはディレクター、目に見える形に表現をするのはデザイナーという切り分けをすると分かりやすいです。
もしもあなたがディレクターで先にイメージを考える必要があり、どのような表現が良いか、などに悩んだらぜひデザイナーに協力を仰いでみてください。
喜んで力になってくれると思います。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
ディレクターとして何か得たものがあると幸いです。
デザインディレクションについて後編もありますので、ぜひ御覧になってください。
この記事を書いた人
影島 亜耶
2021年入社。EMCカンパニー所属。デザイナー兼ディレクター。明晰夢を見るために夢日記を付けることにはまってます。