2022.3.23
社員が登壇!専門学校の学生向けUXワークショップ 企画・運営の裏側
こんにちは、メンバーズユーエックスワンカンパニー(以下、UXONE)の西城です。
昨年末、東京電子専門学校のウェブ・メディア科の学生向けに、UXONEより6名にてUXのワークショップ(以下、WS)を実施しました。
企画立案から当日の運営まで行ったUXONEの横山さん、増田さん、石濵さん、青木さん、鴨澤さん、大野さんにお話を伺いました。
登場人物(いずれもUXONE)
聞き手:西城弘晃
話し手:横山晴信、増田弥生、石濵春、青木陽平、鴨澤ちひろ、大野歩
学生向けにWSを行うことになった経緯
メンバーズではVISION2030(※1)実現の取り組みとして1 Share + 1 Actionプロジェクト(以下、1S1A)(※2)を推進しており、ソーシャルクリエイター(※3)の育成に力を入れています。
その活動のひとつとして、UXONEでは東京電子専門学校の学生にUXセミナーを実施しており、今回は第2弾です。
第1弾は、UXONEの有志で結成した調査手法研究所というチームが主体となり、UXの概念的な話と調査手法の実例を講義形式で行いました。
今回は、21新卒5名と中途1名(筆者)の6名で、制作者視点とユーザー視点の意見の相違に気づかせることを目的として、Miroを使ったWS形式で行いました。
WS当日は、コロナウイルスによる緊急事態宣言は解除されていたものの、社員は各クライアントの通常業務があるため、現地でのサポートはUXONE総務の大野さんにお願いし、その他社員6名はオンラインでZoomを利用して開催することになりました。
※1 VISION2030
※2 1S1A
メンバーズ全社員が年に最低一回、社外へのナレッジシェア(Share)ないしはソーシャルクリエイター育成につながるアクション(Action)をしていくプロジェクトのこと。
※3 ソーシャルクリエイター
デザイン思考を持ち、ビジネスの推進や制度設計、アウトプットを通じて社会課題の解決を図ろうとするクリエイター(職人)志向性の高い人材のこと。
企画の立案で大変だったことはなんでしょうか。
横山:学生のWSとして、一連の体験を設計するのが大変でした。
もともとこのWSは、自分たちUXONEメンバーも最初に研修を受ける「ユーザーリサーチ」の内容をわかりやすくかみ砕いてつくる想定でした。そのため、学生の方々の当日のWS体験から逆算して再設計する必要がありました。
たとえば、「ユーザテストEXpress」というリモート環境でユーザテストができるツールを使って、回収したモニターの発話動画に学生が一度の課題で咀嚼しやすいよう要所をトリミングしたり、パートごとにテロップをいれるなど、UXリサーチ未経験の方でも課題を発見しやすいような動画に落とし込みました。
また、事前課題・当日のグループワークで使用するMiroの資料は、ただ課題を発見するだけでなく、チームで提案をブラッシュアップしてより本質的なサイトの課題に近づいていく感覚を味わっていただけるよう注力しました。
増田:私はWS設計と当日のスライド制作を行いました。最も難しかったことは、新卒研修では1か月程かかるユーザーテストを、何も知らない学生を対象に2時間という限られた時間の中で何をやってもらうのが効果的か、取捨選択しなければならなかったことです。自分たちにとって業務上当たり前の知識ですが、どうやったら学生に伝わるか、どこで引っかかるかなど、初心にかえってWSの内容と説明を考えました。
石濵:初めてWSの企画・運営を行っていく中で、スライド制作の手伝いや「改善施策の提案資料」制作を担当しました。大変だったことは、新卒研修で学習したユーザーテストについてはまだ知らない部分も多かったため、再度学習・理解し、自分の言葉で発信し直したことです。また、スライド資料の説明を補うイラストは私が描いたのですが、学生が視覚情報にひっぱられて内容を捉えてしまわないように、イラストと説明の相違をなくすことを心がけました。
青木:事前準備や資料作成を担当しましたが、学生の皆さんにサンプルとして見せる「改善施策の提案資料」制作が特に大変でした。UXリサーチの経験が浅かったため、ユーザーの観察から得た課題を具体的な改善施策に落とし込むことが難しかったです。学生の皆さんだけでなく、自分にとっても、サイト構造やデザインの視点から改善施策の提案につなげる実践の機会にすることができました。
鴨澤:(青木さんと同じく)改善提案の資料制作が大変で、中でも「課題発見」の作業に苦戦しました。ユーザーの発言一つひとつがサイト改善のヒントになるため、発言を含めたユーザー行動全体から「サイト上の課題は何か?」を具体化する作業が難しかったです。今回は研修時に同様のユーザーテストを行った経験から、メンバー同士で意見を出し合い課題発見から課題重要度の重みづけ作業まで、みんなで納得のいく改善提案準備をしました。
実際にWSをしてみて気づいたことはありますか。
横山:WSのボリューム上仕方ない部分ですが、学生の視点があくまで「受験生ベース」の課題発見に限定されていると感じました。このWSではクライアントは学校側を想定しています。学校側で対応可能な課題であるか、またその課題を解決することで学校側にどんな利益があるかなどの、先まで考えた課題発見とまとめ方を意識させることができれば、よりクオリティの高いアウトプットになったのではと思います。
増田:WS後のアンケートを見ると満足度は高かったですが、運営側は余裕がなかったです。初めてのWSに加え、初めて使ったMiroが途中重くてフリーズしてしまいあたふた。ワークごとに分けたほうがよかったのかなーなど、Miroの使い方で今後の課題が残りました。
西城:確かにMiroは重かったですね。メンバーズのほかセミナーでMiroを使ったワークにサポーターとして参加したことがあるのですが、そのときはある程度人数が多くても重いと感じたことがありませんでした。何が違うのか是非見直しておきたいですね。
石濵:ワークでは、グループによって発言のばらつきがありました。発言が少ないグループでは、ファシリテーターとして入っている運営メンバーから学生に名指しで発言を促してよいのかわからず、グループによって差が出てしまったかなと思います。また、タイムキーパー要員がほしかったです!今回運営側の人数に余裕がなく、ワークではみんなファシリテーターとして各グループに配置されていました。ブレイクアウトルームにいつ戻るのか不明だったので、次回は全体の進行をきちんと管理できるよう、担当の班を持たないフリーのひとを用意し、そのひとにタイムキーパーを託したいですね。
鴨澤:わたしのグループも発言する学生に偏りがあり、発言が少ないひとへのファシリテーションの仕方に迷いました。また、ワークのステップの中で課題タイトルが抽象的だったため、課題内容の深堀を促したのですが、想定以上に時間がかかり2つ目以降の課題原因の議論ができませんでした。
大野:ぼくのグループはリーダーがすごくしっかりしていて発言が盛んに行われていました。最後に総評しようと思っていましたがブレイクアウトルームが終了。現在の時間はわかりますが、全体の進捗がうまく行ってるのか、時間を延長するかどうかの判断が難しくもう少しうまくやれたなという部分もありました。
青木:最後の質問タイムでは、時間の長さや質問が来たときに運営メンバーにどう振るか事前に決めていなかったため、とくにタイムテーブルがずれたときにどのタイミングで切っていいか判断に迷いました。次回は、もう少し余裕をもった進行ができるようにしたいです。
西城:横山さん、増田さん、石濵さん、青木さん、鴨澤さん、大野さん、ありがとうございました!
また、東京電子専門学校のみなさま、今回このようなWSの機会をいただきありがとうございました。初めてのWSで運営メンバーにもたくさんの気づきを得られた機会となりました。学校で講師としてWSを実施する機会のある方々の参考になれば幸いです。今回の経験を経て、今後も1S1A活動を推進していきます。
この記事を書いた人
西城 弘晃
メンバーズUXONEカンパニー所属、2019年中途入社。ディレクターをしています。年始一発目のパーソナルトレーニング開始時に腰痛めちゃってしばらく離脱。治るまで大変でした。
横山 晴信
宮城県出身。メンバーズUXONEカンパニー所属、2021年入社。業務ではSNS運用・投稿クリエイティブの制作を担当、複業で動画広告に取り組む。最近同期に犬のぬいぐるみをもらった。実家の犬に会いたい。
増田 弥生
千葉県出身。メンバーズUXONEカンパニー所属、2021年入社。趣味はモノづくりで最近3Dプリンターを購入。持前の観察能力を活かし、飼い猫のための最高な皿を制作しようと意気込んでいる。
石濵 春
愛知県出身。メンバーズUXONEカンパニー所属、2021年入社。趣味は編み物。齢21にして初めてジャニーズにハマりお金をつぎ込んでいる。
青木 陽平
宮城県出身。メンバーズUXONEカンパニー所属、2021年入社。趣味は紙袋集め。好きが高じて自分で紙袋を制作しようと画策。
鴨澤 ちひろ
神奈川県出身。メンバーズUXONEカンパニー所属、2021年入社。業務ではアプリ開発・企画のディレクションを担当。韓国音楽を聴くこと、ロイヤルホストのごはんが好き。
大野 歩
宮崎県出身。メンバーズUXONEカンパニー所属、2016年にメンバーズへ新卒として入社。最近Uber Eatsにお金を使いすぎたのでまるごと冷凍弁当づくりをはじめた。