ノンデザイナーにもおすすめ!色彩検定2級とその試験対策

「春っぽい色」「清潔感のある色」「インパクトがあってつい手を伸ばしたくなる色」…など、私たちは日常で「色」を通じて様々な情報を伝え合っています。

色にまつわる印象や扱いは「センスで決まるのでは…?」「そのスキルが必要なのはデザイナーだけ…?」と思う方もいるかもしれませんが、実際にはそんなことはありません。

色には法則があり、その知識を適切に扱うことができれば、活かせる場面は誰にでも幅広くあります。

今回はそんな色の知識を体系的に問う「色彩検定2級」について、試験の概要や対策方法についてご紹介します。
(ちなみに私がこの資格を取得したのは、<未経験デザイナー>として入社する前ですので、事前知識は全くありませんでした!)

1.色彩検定とは?

「色彩検定」とは、文部科学省後援の公的資格です。

色彩検定では色の基礎から、配色技法(色の組み合わせ方)、専門分野における利用などを幅広く学習します。「色彩検定」の学習によって感性や経験によらない、理論の土台を身に付けることができます。また、ご自身の現在の知識や目指すレベルに合わせて1、2、3級、UC級 のどの級からでもご受検いただけます。

引用:色彩検定、「色彩検定ってなに?」https://www.aft.or.jp/feature/index.html(2022年3月7日)

上述にある通り、試験は4つに区分されています。
1級:プロフェッショナル向け
2級:実務に応用したい方向け
3級:初めて色を学ぶ方向け
UC級:色覚の多様性に関する知識を深める、UC(色のユニバーサルデザイン)を問う

基本的に3級から1級に上がるにつれて、試験範囲は専門性を増し、難易度も上がっていきます。2級は3級の、1級は2級と3級の内容を含んで発展させた内容となっています。

また、2018年から新設されたUC級は難易度による区別でなく、試験内容が「UC:ユニバーサルデザイン」に特化したものとなっています。3級から1級の試験範囲にもUCは含まれますが、出題範囲としては少ないため、UC級を受けることでさらに知識を深めることができます。

2.2級の試験概要

試験方式や試験時間は以下の通りです。

試験方式:マークシート方式(一部記述式
試験時間:70分
試験範囲:照明、色名、表色系、配色技能、配色イメージ、ビジュアルデザイン、ファッション、プロダクト、インテリア、エクステリアなど。3級の内容に加え、以上のような基本的な事柄を理解し、技能を持っていること。
合格ライン:満点の70%前後。問題の難易度により多少変動。

2級は記述問題も入ってくるため、暗記に頼りすぎない理解と言語化の練習が必要です!

3.試験対策

色彩検定は試験の併用受験や、好きな級からの受験が可能です。
私の場合は3級を受けずに2級から受験しました。
そのため、解説が省かれて登場する用語・概念もありました。
その都度わからないものは調べたりして対応できますが、前提となる基礎知識をきちんと学ぶには3級から取得することをおすすめします!

■対策教材

教材には、「公式テキスト」「配色カード」「過去問題集」が販売されていますが、私はそのどれも使わず、テキストと問題集(模擬問題2回分収録)が一冊になった市販の対策教本を1冊購入して勉強しました。

公式・市販の教材、どちらを使用しても対策としては問題ないと思いますが、色彩検定は試験内容が改定される場合もあります。
公式サイトで公表される試験概要を事前に把握したうえで、市販の教材の場合にはなるべく発行年次が公式に近く、内容に抜け漏れのないものを選ぶようにしましょう。

■対策の流れ

試験までは1ヵ月半(約5週間)で、次のような流れで取り組みました。

①試験日までを逆算して勉強のスケジュールを立てる
②セクション毎にまとめ問題を解く
③過去問題や模擬問題を解く
④苦手な範囲を重点的に復習する

このやり方は色彩検定に限らず、どんな試験にも適用できますが、それぞれ詳しく見ていきます。

①試験日までを逆算して勉強のスケジュールを立てる

教材の項目が模擬問題のセクションも含めて8つのセクションに分かれていたので、それを4週間で区切って1周するスケジュールを立てました。
具体的には、下記のように1週間で2セクションずつ進めていきました。

1週:色の表示、色の名前
2週:色が見える仕組み、色の組み合わせ
3週:カラーコーディネート(デザイン、ファッション)
4週:カラーコーディネート(住環境)、模擬試験

ポイントは実際よりも少し短く見積もってバッファの期間を設けておくことです!
私の場合は1週間のバッファを設けて、さらに過去問対策や復習の時間に当てられるようにしました。

特に、<色の名前>や<色の組み合わせ>のセクションは覚える内容が多いので、少し多めに時間を割いてもいいかもしれません

②セクション毎にまとめ問題を解く

具体的に勉強を進める際に意識することは、インプットとアウトプットをなるべくセットで行うということです。
テキストを読んだりして章の内容をインプットしたら、必ずその直後にまとめ問題などでアウトプットをしてから次に進みましょう。
過去問の中でそのセクションから出題されているものを解いてみると、出題傾向を早いうちから把握することにもなります。

また色の名前や色の組み合わせなど、テキストを読んだだけでは覚えにくい項目については、自分で配色カード帳を作るのがおすすめです!

該当の色をプリントアウトして単語帳などに貼り付け、寝る前や移動中などにパラパラと見返すことで、色を記憶に定着させることができます。私はこの方法で、本番の試験で色名に関する問題は全問正解できました。(プリントする際に色が変わってしまわないかだけ注意しましょう。)

他には、色相環やトーンマップなどは自分でも書けるようにしておくといいかと思います!

③過去問題や模擬問題を解く

セクションで区切って、それぞれの学習を終えたら全体を通して過去問や模擬問題に取り組みましょう。
色彩検定には問題の出題傾向があるので、それぞれの学習分野が試験ではどのように問われるのか事前に把握しておきましょう。
また、選択ではなく筆記で解答する練習もここで併せてしておきましょう。

④苦手な範囲を重点的に復習する

過去問題や模擬問題を解くことで、自分の苦手な分野が出てくるかと思います。

残りのバッファの期間も含めて、試験日までは苦手分野の集中対策と全体を網羅した復習に当てましょう。
できれば教本の問題部分をもう1周する、過去問題で満点取れるようにしておけると安心です!(なかなか難しいですが…理想です!)

まとめ

色彩検定は色にまつわる幅広い知識を問うため、Webデザインの分野だけでなくDTPやファッション、建築などの分野も含まれます。
一見、すぐには関係のないようなそうした色の知識を網羅的に知っておくことで、業務にも効果的に活かしていけるのだと思います!

今回の紹介で、色彩検定を受けてみようと思う方の少しでも助けになれば幸いです。

また私は特に業務をしている中で、色彩検定2級の知識だけでなく、UC級の知識も身に着けておくべきだったと感じる場面も多いです。より幅広いユーザーにとって伝わりやすく、優しい色の使い方ができるように、次はUC級の取得を目指していきたいと思います!

この記事を書いた人

そりまちめぐみ

そりまちめぐみ

2021年入社。主にデザイン業務を担当しています。
最近はお弁当作りを頑張っています(出社する週2だけ)。

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