「データ」におけるマーケターとアナリストの視点の違いとシナジー効果を出すためのデータへの向き合い方

皆さんはいつもどのような視点でデータを見ているのでしょうか?
ビッグデータ時代となった現在、仕事中にデータを見る機会が日に日に多くなってきましたね。
データの内容は営業利益であったり、顧客情報であったり様々です。
データによって見るべきポイントも違いますし、そこから何を読み取るかも人それぞれだと思います。

私は前職ではマーケターとして、現在はデータアナリストとして働いています。
そういった中で、過去と現在の仕事内容や経験・考え方から感じた「マーケターとデータアナリスト2つの職種のデータに対する考え方・見方の違い」について、お話ししていこうと思います。

目次

1.マーケターにとっての「データ」とは
2.アナリストにとっての「データ」とは
3.よりシナジー効果を出すには
4.まとめ

私はマーケター時代、データを「結果を表したもの」として見ていました。
その理由はマーケターの仕事の目的は、現状から少しでも目標に近づけることだったからです。

そのため、データを見るときは、
「(売上結果を見ながら)この層からもっと利益が上がれば会社の利益も増えそうだし、どうすればいいか考えよう!」
「(前回のDM施策の結果を見ながら)施策が成功したから利益がこれだけ上がったぞ!」
と考えることが多くありました。

つまり、データから何かを読み取ろうとするのではなく、データはあくまでも結果であり、ここからどうするか考えるのが私の仕事だ!と思っていました。

そうなると、結果(データ)を見るのに割くのは短時間で、残りの時間は、

・目標に近づけるための施策を考える。
・考えた施策を実行に移す。
・結果次第でまた施策を考える。

という流れを繰り返すことに使っていました。

施策を何もしないと、会社の利益や顧客数などが変わらないまま時間が進んでしまい、それだとマーケターがいる意味がなくなってしまうため、「何かしなければ!」というちょっとした強迫観念があった気もします。

前職までのデータに関する考え方は、データアナリストとして働いたことで一新され、 データは「現状を示すもの」だと思うようになったのです。

アナリストの仕事は、データと向き合い、データから読み取れることを分析して現状を把握し共有することです。
例えば、顧客情報にサイトのアクセスログを照らし合わせて、
「顧客のステータスごとにサイトの訪問回数や流入経路、閲覧ページ数に違いはないか?」
「(違いが見えたのであれば)それは本当に差異があるのか?」
などを仮説を立てて考察しています。

分析を続けていると、改善が必要なポイントや施策などが見えてきます。
マーケター時代、必死に考えて0から生み出していた施策内容や改善案が目の前のデータから読み取れることに、アナリストになってやっと気が付きました。

マーケターもアナリストも、同じデータを見ていても、それに対する見方や考え方が異なることがわかりました。誰かが間違っているというわけではなく、それぞれの出発点が違うからです。
そのため、よりお互いの強みを活かしながら、データに対する向き合い方を少し変えたら、もっとシナジー効果が出せて、目標にもっと近づけるのではないかと思いました。

マーケターの場合

よりインパクトが大きい改善施策を実施するためには、

a. 表面の結果を見て意思決定に進まない。
b. データを深堀る時間を作り、たくさんの仮説を持って検証する。
c. 検証結果から見えてきた最適な改善施策を実行に移す。

という流れを業務に組み込むことが大事になってくると思います。

ただ、現状から目標に近づけるのがマーケターの最終的な目的であり、施策はそのための手段です。
施策提案と実行を繰り返していないと現状が変わらず、マーケターの存在意義が薄くなってしまいます。

そのため、「1つのデータにじっくり向き合う時間」と「施策提案・実行にかける時間」のバランスを取ることが必要です。

アナリストの場合

よりマーケターが意思決定されやすい示唆や施策提案を出すためには、

a. 検証する施策内容、目的、ターゲットユーザーなどの情報を把握する。
b. 施策を実施する前に、仮説を立てた上で検証するためのログ設計を行う。
c. 様々な視点(シナリオ、集客、成約、LTV)からデータ分析した上で、施策のフィジビリティを考慮しながら施策提案をする。

というアナリストの領域を一歩踏み出すことが大事になってくると思います。

アナリストは単なる分析手法を用いてデータだけで傾向や示唆を分析し出すポジションではなく、現状から目標に近づけるマーケターの意思決定をサポートするための存在であり、マーケターが持ってる情報や、ドメイン知識、施策を実施するシステム周りの知識をある程度理解した上で、示唆や施策提案を出すことでより目標に近づけるのではないかと私は考えております。

そのため、「情報収集・理解にかける時間」と「仮説・分析にかける時間」のバランスを取ることが必要です。

同じデータを見るという行動においても、何にどれだけ時間を使い、手持ちのデータに対してどう取り組むかによって、得られる結果は大きく異なります。
自身の職種としてのデータの見方を鍛えるのはもちろん、異なる職種としての見方・考え方を身に着けることでも視野が広がり、今までとは一線を画した提案や結果が導き出せるようになるかもしれません。
すぐに視点を変えるのは難しいかもしれませんが、皆さんにとって少しでもプラスな情報になれば幸いです。

この記事を書いた人

竹蓋 美咲(たけふた みさき)

竹蓋 美咲(たけふた みさき)

メンバーズ データアドベンチャーカンパニー アナリスト事業部デジタルクリエイター-1G
2021年7月入社。アクセス解析や顧客データの分析を中心に、施策提案に従事。

陳 振(ちん しん)

陳 振(ちん しん)

メンバーズデータアドベンチャーカンパニー アナリスト事業部デジタルクリエイター-1G
クリエイティブコーチ
2020年2月入社。主にWEBマーケティングコンサル・戦略設計・解析環境構築及びアクセス解析・PDCA&業務改善に従事。
▼データアドベンチャー事例紹介
https://www.dataadventure.co.jp/news/case-2021-04.html

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