プランニング、クリエイティブの質を上げる「営業スキル」向上のポイント

皆さまこんにちは。EMCカンパニーの小代(オジロ)です。

今回は、「営業スキル」のナレッジシェアを通じて、少しでもプロデューサー職、クリエイター職の方々が、クライアントとうまくコミュニケーションが取れるようになり、営業成果やプランニング能力の向上など様々な成果に繋がるきっかけになれば良いなと思い記事を書かせていただきます。

簡単に私の自己紹介をすると「マーケティングからクリエイティブまでをトータルサポート」を自身のスローガンに、新規クライアントの獲得、アカウントの拡大、大型構築案件のPMなどを業務として行っております。
今までは主に、大手アパレル、大手ECポータル、メガバンク、金融各社、大手制御機器・FAシステム業などをグローバル含めて担当していました。

さっそく本題ですが、「営業スキル」といえば「モノを売るスキル」だと思っている方もいるかもしれませんが、営業スキル(プロセス)は、企画・プランニング・ディレクション・クリエイティブなど、何かを創り出す上で、様々なシーンで応用が効く優れたスキルなのです。

逆を言うと、売り方を知らない人が売れるサイトは作れないということです。

よって、今回の記事では、「営業スキル」を高めるために、下記の内容に沿ってお話をしたいと思います。

1.営業マインド
2.ユーザーの心理変化、5つの商談目標
3.営業の基本スキル

1.営業マインド

まずはじめに、売れる営業マンと売れない営業マンとでは、明らかに大きな違いがあります。
簡単に説明します。

・売れない営業マンのパターン
ただ売りたいモノを売ろうとして、件数をたくさん回ってひたすら商品説明をする営業マン

・売れる営業マンのパターン
ユーザーを理解する事に重きをおき、1件1件を大切に適切なコミュニケーションを行う営業マン

要するに、営業スキルの高さは「営業スキルの高さ=相手を理解する能力の高さ」で決まるということです。

また、相手へ理解が深くなればなるほど、相手からの信頼性が向上していきます。
信頼度が増せば、より大きな責任が伴うプロジェクトも任せてもらえます(まさに、メンバーズDX人材の理想像です)。

少し私の話をすると、よくコンペやクライアントコントロールが得意だと言われますが、実は、毎回良いアイディアや企画が誰よりも秀でているわけではありません。

やっていることとしては、相手を理解することに重きをおき、信頼を得ることをゴールと定め、「この人、この会社と仕事をしたい」と思っていただくようにしています。
そうすることで、他社よりも多くの情報を共有してもらうことができます。

その結果、たとえ価格が他社より高くても、アイディアが劣っていたとしても、アウトプット(企画書/提案書)が、相手企業に合わせた実現性の高いものとなり、選ばれているだけなのです。

つまり、重要なプロジェクトになればなるほど、クライアントの選定基準は「価格<アイディア<実現性」という構図になるということです。

もちろん、相手を理解すると一言で言えば簡単に聞こえるかもしれませんが、的を射ない質問や相手を悩ませるような質問攻めは、相手を不快にしてしまい逆効果にも繋がるので、この後の「2.ユーザーの心理変化、5つの商談目標」「3.営業の基本スキル」を通じて、適切なコミュニケーションをとれるよう参考にしてみてください。

2.ユーザーの心理変化、5つの商談目標

相手を理解し信頼関係を築く上で、重要になってくるのはユーザー心理の変化を理解して、商談目標を設定することです。
ユーザーの心理変化と、それに合わせた5つの商談目標について説明します。

ユーザーの心理変化

下記のユーザー心理は、ウェブサイトやサービス設計、マーケティングプランニングをする上で重要となってくる一般的なプロセスなので、ぜひ覚えておきましょう。

ユーザーの心理変化

5つの商談目標

ユーザーの心理変化に合わせて商談を5つの段階に分け、その段階ごとに達成すべき目標を設定します。その上で、各段階ごとにユーザーの納得を重ねながら商談を進めていきます。
ウェブサイトやサービス設計、マーケティングプランニングでもユーザー心理に応じて、仕掛けを考える上でも参考になります。

5つの商談目標

3.基本スキル 「質問のスキル」と「共感のスキル」

営業の基本スキルでは、ユーザーとのコミュニケーションを円滑に進めていく上でとても大事なテクニックに該当する内容を解説していきます。

前談でもお話しした通り、的を射ない質問や相手を悩ませるような質問攻めは、相手を不快にしてしまい逆効果にも繋がります。
よって、営業の基本スキルとして「質問のスキル」「共感のスキル」というものがあります。

質問のスキル」は、ユーザーの状況や考え、気持ちなどを正しく把握するのに必要なスキルです。
共感のスキル」は、ユーザーとの円滑なコミュニケーションをはかる上で、相手を不快にさせないで、ユーザーとの距離を縮めるために必要なスキルです。

ではさっそく「質問のスキル」から解説していきます。

「質問のスキル」には「特定質問」と「拡大質問」があります。 それぞれ悪い例と良い例を挙げて説明していきます。

質問のスキル:特定質問

相手が「はい」「いいえ」、あるいは短い言葉で返答できるような質問です。

・悪い例
「今回のご依頼内容に関しまして、スケジュールを重視するとコストが上がってしまうのですが、どうしましょうか?」

何と答えて良いか分からないですよね。
意外と、ユーザーに対してこのような説明をしているディレクターを見かけます。

・良い例
「今回ご依頼いただいた内容に関しまして、弊社としては2つ考えております。
「一つ目は、多少コストは上がってしまいますが、スケジュールを重視して進める方法です。
「二つ目は、従来のコスト感通りで、スケジュールを少し後ろ倒しする方法があります。
「私としては、キャンペーンの都合上スケジュールを変更できないのであれば前者の方だと思いますが、いかがでしょうか?」

良い例のように、同じ質問の内容でも質問の仕方を変えるだけで、相手の印象と選択がしやすくなりますよね。
更に、信頼を得るポイントとしては、質問の中にしっかりと自分の意見も入れるということです。

質問のスキル:拡大質問

ユーザーが比較的自由に答えられるような質問です。

・悪い例
ユーザー「最近は、弊社でも方針としてDXを推進しろと言われているんですよ」
自分「そうなんですか!メンバーズもDX推進していますので、提案しても良いでしょうか?」

ここで、いきなりチャンスと思い食いつくのは、ダメな営業マンです。
こういった時こそ、拡大質問を使って、もっと情報を引き出してユーザーがイメージしやすいDXの会話に持っていく必要があります。

・良い例
ユーザー「最近は、弊社でも方針としてDXを推進しろと言われているんですよ」
自分「と、おっしゃいますと、御社の中でもDXを推進するということは何か課題があるのでしょうか?」
ユーザー「意外と弊社は未だに紙による承認フローであったりアナログな部分が多いんですよ」
自分「意外ですね。では、ユーザーさまの部署では、DX推進にあたってどのような役割になるのでしょうか?」
ユーザー「当部で課題の洗い出しをまず行って、施策の素案を作らなければいけないんですよね」

のように拡大質問で話を広げてニーズを探っていきます。そうすることによって、自身の理解度も増し、話しているうちに相手との関係性も深まっていきます。

上記のように、実は「質問のスキル」は相手のニーズや気持ちを探る上で、とても重要なスキルだということが分かっていただけたかと思います。
更に、会話に役立つ社会情勢、市場動向、技術的な知識も有してくれば、よりハイレベルな質問ができるようになるので、ユーザーからの信頼度パラメーターは、知識に比例して右肩上がりになっていきます。
仕事ができる人は、とにかく質問がうまい傾向にあります。

では、次は「共感のスキル」について解説をしていきます。
「共感のスキル」には「同意する」「理解を示す」「言いかえる」「発展させる」というものがあります。

私自身も、この「共感のスキル」は、炎上案件を引き継いだ場合やトラブル対応などでも、ユーザーとの距離を縮めるためにかなり多用しますので、参考にしてください。

共感のスキル:同意する

ユーザーの発言に対し、同じ考えであることを伝えます。

フレーズ例
「おっしゃるとおりです」
「私も全く同じ意見です」
「それは素晴らしいですね」
「本当にそうですね。私もそう思います」

大きくうなずくなど、リアクションとセットだとより効果的です。

共感のスキル:理解を示す

ユーザーの話を真剣に聞いていることを伝えます。

フレーズ例
「おっしゃっていることはよく分かります」
「ご心配はごもっともです」
「そう思われるのは当然です」
「なるほど、そうだったのですね」

共感のスキル:言いかえる

ユーザーの発言を自身の言葉で言いかえて、自身が正しく理解していることを伝えます。

フレーズ例
「おっしゃっていることは〇〇ということですね」
「つまり〇〇ということですね」
「言いかえますと〇〇ということですね」
「それは〇〇という意味でおっしゃっていらっしゃるんですね」

共感のスキル:発展させる

ユーザーの発言に付け加えて、自身の知見などをふまえて考えを述べます。
※この「発展させる」では、次の展開に持っていく上で自身のリテラシーをユーザーに示す重要な部分です。

フレーズ例
「いまのお話に関連して〇〇ということもありますよね」
「それで思い出したのですが〇〇ということもありました」
「そうしますと、〇〇という必要もでてきますね」
「ご指摘の問題に加えて〇〇という問題もありますね」

「営業スキル」は、冒頭でもお話しさせていただいた通り、企画・プランニング・ディレクション・クリエイティブなど、何かを創り出す上で必要な、ユーザー心理だったり、コミュニケーションの手法だったりと、仕事をする上で重要なスキルだということが分かっていただけたのではないかと思います。

「営業スキル」が高い人材ほど、自分本位の考え方ではなく、相手を思いやる気持ちや、どんなに細かい業務やタスクでも付加価値や工夫を考えることができる人だったりします。

ぜひ皆さまも今回の内容を実戦で試してみて、ユーザーの反応や実務で実感してみてください。
きっと、この「営業スキル」を応用していく事で、仕事の「品質」が変わってくると思います。

長文の記事とはなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

小代 武史

小代 武史

2011年に株式会社メンバーズへ中途入社。新規獲得、UXプランニング、構築PMなど幅広い業務を担当しております。「マーケティング~クリエイティブまでトータルサポートいたします。」が私の指針です。

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