経験・知識ゼロでもYouTube Liveでオンラインイベントを開催する方法

最近、「Webセミナー」や「オンラインイベント」の開催が増えていますね。
弊社でも社員総会など様々な社内イベントをオンラインで行っております。
詳細は下記の記事をご覧ください!
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社員総会では配信を見る側だった私ですが、その後の社内イベントにて配信する機会を頂き、実際に配信を行いました。
今まで配信経験は一切無く、知識も一切ない状態から実際に配信するまでの準備期間 2週間ほどで私がどのような手順で配信したのか、何を学んできたのかをご紹介したいと思います。

配信のために準備するもの

  • デスクトップパソコン
  • モニター(2台)
  • 安定したネット回線
  • 配信ソフト(OBS Studio)
  • YouTubeチャンネル
  • わからない単語などが出てきても挫けない心

※今回のイベントではMeetを使用しました。Web会議ツール(Zoom,Teamsなど)を用いてオンラインイベントを行う際にぜひ参考にしていただけますと幸いです。
カメラで撮影、配信をする際は別途機器が必要となります。

1. OBS Studioで配信画面を作成

まずはOBS Studioの理解、画面の準備から始めました。

OBS Studioとは?

ビデオ録画、生放送用のオープンソースのソフトウェア。(無料)
様々な配信サービスに対応しています。


OBSを公式サイトからインストールし、いざ画面準備!
YouTube Liveで配信する画面割を考えます。
今回は看板、Meet画面、コメント機能の3つを使用しました。
OBSの「シーン」は画面全体、「ソース」はパーツを示しています。
つまり、「ソース」は看板、Meet画面、コメント機能、この3つのソースが合わさった画面が「シーン」ですね。
YouTube Liveでは配信を非公開に設定すると本来のコメント機能を使用することができません。
そのため、社員総会の際に小野寺さんが実装した下記のコメント機能を使用しました!
テクニカル担当が振り返る、リモート社員総会の裏の裏!!

まずは何もない画面からソースを追加していきます。「+」を押すと追加、ソースを選択したまま「-」を選択するとそのソースを削除できます。
今回は「+」を押し、画像(看板)、Meet画面(画面キャプチャ※1)、コメント機能(ブラウザ)を追加しました。
幅や高さを調節し、見せたいレイアウトになるよう3つを配置していきます。

※1 画像ではMeet画面をウィンドウキャプチャで表示していますが、画面の大きさを調節する際は画面キャプチャの方が簡単に調節できます。

OBSにてYouTube Liveの画面割作成

2. OBSでエンコード設定を行う

配信する画面ができたら、次は配信するためのエンコード設定を行います。
OBSで「設定」を選択し、「出力」から映像ビットレート、エンコーダ、音声ビットレート、「映像」から解像度、FPS(フレームレート)共通値をそれぞれ設定していきます。
今回は下記のように設定しました。

設定項目設定値
映像ビットレート4000Kbps
エンコーダソフトウェア(×264)
音声ビットレート128
解像度1920×1080
FPS共通値30

エンコード設定をする際に、「配信」から配信を行うサービス、サーバーも忘れず選択しておきましょう。
マイクを使用したい場合は「音声」からマイク音声を選択し、自分の使用するマイクを選択する必要があります。
デスクトップ音声のみだと自分に聞こえる音は配信に反映されますが、自分が発する音は反映されません。

また、「一般」の出力から、「配信を停止するときに確認ダイアログを表示する」にチェックを入れておくことをオススメします。
初期状態のままだとOBSで間違って「終了」ボタンを押してしまった際、その瞬間に配信が停止してしまいます。
そのため、終了を選択→確認ダイアログ→配信停止という流れを作っておくと間違って配信を止めてしまうという事態を防ぐことができます。

3. YouTube Liveで配信予約

配信ソフトの準備ができたらYouTubeで配信の予約を行います。
YouTube Liveはアカウント作成後、24時間程経過し、アカウント認証が完了しないと配信を行うことができません。
YouTube Liveで配信ができる状態になったら、いきなり本番を行うのではなく、「非公開」に設定し、OBSから映像が届いているか音は問題ないかなどの確認を行うテスト配信を行いました。

  1. YouTube Studioから「ライブ配信を開始」を選択
  2. 「エンコーダ配信」を選択し、タイトル、公開範囲、説明(概要欄)、ジャンル、子供向けか否かなどを入力
    「後でスケジュール設定」を選択するといつからライブ配信を開始するかを選択できます。
    上記の入力が完了するとストリームキーが発行されます。
  3. ストリームキーが発行されたらOBSの「設定」にて「配信」を選択し、発行されたストリームキーを入力
    こうすることでOBSで「配信開始」ボタンを押すとYouTube LiveにOBSの画面が取り込まれます。
  4. YouTube Liveのプレビュー画面にて問題なく画面が表示されていることを確認したら「ライブ配信を開始」を選択し、配信を開始
  5. 数分経ったらOBSで「終了」を選択→配信停止

という流れでテスト配信を進めました。

テスト配信で問題なかった場合は、リハーサル用、本番用の配信予約をします。
ストリームキーは固定のものを作成することも可能ですが、初期設定時のまま毎回新しいストリームキーを生成する方が安全だと思います。
ストリームキーが漏洩してしまった場合、あなたのYouTubeアカウントでいつでも勝手に第三者がYouTube Liveを行える状態となるため、注意が必要です。

YouTube Liveのライブ管理画面では様々な設定を行えます。
コメント許可、DVRの有効化、ライブ配信の遅延など、どのような配信を行いたいかによって設定を変えていきましょう。
今回私が配信を担当したものの設定では、公開設定が非公開のためコメントなし、DVR(巻き戻し)は不可、ストリームの最適化は「低遅延」を選択しました。

4. 特設サイト作成

オンラインイベント開催に向けてGoogleサイトを用いて特設サイトの作成を行いました。
YouTube Live(本番用)の埋め込み、コメント機能、当日視聴できなかったときの案内、コメント機能の使い方、当日のアジェンダなどを要素として入れ込みました。

Googleサイトはプログラミング不要でサイトが作れる優れものです。
UIも直感的に操作できる仕様になっているため、誰でも簡単にサイト制作が可能です。
唯一Googleサイトで作業している際に困ったのはページ内リンクの作り方です。
文章にリンクを設定することも可能ですが、「リンクを挿入」でリンクを設定した場合、そのリンクをクリックすると別ウィンドウで該当箇所に飛ぶような設計になっています。
ページ内リンク(同ウィンドウ遷移)とはならないことに悩んでいましたが、Googleサイトでは「目次」がページ内リンクの役割を果たせることをご教示いただきました。
確かに「目次」では「題名」に設定している部分が上から順番に表示されます。
各題名の表示、非表示の設定もできるため、ページ内リンクに設定したい部分のみ表示に設定すればページ内リンクの完成です!
非表示にした分はサイトを公開するとスペースを詰められ、表示設定したもののみ表示されるため、こちら側では非表示にした分のスペースの設定は不要です。

5. YouTube Liveでオンラインイベント開催!

配信画面作成、エンコード設定、配信予約、テスト配信まで終わったら次は配信前にリハーサルを行います。
リハーサル時に確認しておくべきことは下記の5つです。

  1. OBSの映像が問題なくYouTube Liveで流れているか
  2. BGMなどの音は適切な音量で流れているか
  3. コメント機能が問題なく動作しているか
  4. シーンの切り替えはできているか
  5. スライドの共有等ができているか、動画の場合は動画が流れているか

これらが問題なければオンラインイベントの準備は完了です。
リハーサル時はリハーサルを行うYouTube Liveのストリームキーを設定、リハーサル終了後には本番用のストリームキーを忘れずに設定しておきましょう。

リハーサルが終わったらついにオンラインイベント開催です!
当日、オンラインイベント開催時間の15分程前になったらOBSで「配信を開始」を選択し、YouTube Liveのプレビュー画面にOBSの画面が表示されるかを確認します。
この時点で問題なければYouTube Liveを開始できます!
スケジュールで日時を指定していても「ライブ配信を開始」を押さないとYouTube Liveを開始できません。自動で始まるものではないので、必ず「ライブ配信を開始」を押してYouTube Liveを開始しましょう。
イベントが無事に終了したらOBSで「終了」を選択→YouTube Liveで配信停止で終了です!

配信をして学んだこと、感じたこと

準備するものでモニター(2台)と記述していますが、これは1台にMeet画面を全画面表示、もう1台でOBSと社内連絡が取れるブラウザを表示するためです。
OBSのデスクトップ音声では自分に聞こえる音が全部聞こえるというお話しをしましたが、実際の配信時にはそのことを理解しきれておらず、本番中に社内連絡チャットの通知音がYouTube Liveでも流れていました。
このようなことが起きないよう、通知音などは全て音が鳴らない設定にしてからYouTube Liveを行うことを推奨します。

また、実際に配信準備から配信まで体験してみて感じたことは「YouTube Liveで配信するのは意外と簡単」ということです。
今回は機器の準備や接続などが一切なかったため、必要なのはOBSの準備と理解のみでした。
エンコード設定ではなぜその設定にするのか、その設定にするとどのようになるのかを調べることでより理解が深まります。
YouTube Live側の設定についても同様です。コメント機能やチャットを有効にする場合は実際の配信とチャットのラグを把握し、可能な限りラグを無くすのが望ましいです。
今回はエンコーダ配信を用いてオンラインイベントを開催しましたが、OBSは使用せずにWebカメラのみで配信を行うことも可能です。
どのようなイベントを行うかによって配信方法や機材などを考えるべきだと学びました。

YouTube Live以外にもライブ配信を行えるサービスは沢山あります。
ZoomのWebセミナー機能やコクリポなどWebセミナーに特化したサービスもあるため、イベントの規模や、実現したいことを検討したうえで配信サービスを選択するのが良いと感じました。
今後オンラインイベントをYouTube Liveで開催することになった際には、今回紹介した配信までの手順、ナレッジ等を参考にしていただけると幸いです。

この記事を書いた人

近永 実里

近永 実里

2019年4月にメンバーズへ入社。アプリチームに所属し、提案や制作など幅広い業務を担当。「興味のあることには積極的に挑戦する」をモットーとしています。

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