分析ができる理想のディレクターになるために~周囲を巻き込んだ取り組みと成果~

こんにちは。メンバーズEMCカンパニーの菊地です。
入社して約5年が経ちますが、5ヵ月前にECサイト運用ディレクターから分析ディレクターへ転身しました。

4年間運用ディレクターとして経験を積むことで、スケジュールやタスク管理、見積管理などのディレクション業務は一通りできるようになっていました…が、今のままで大丈夫だろうかと未来への不安が漠然とありました。入社5年目に入ることから、より専門的なスキルを使って仕事をしたい、企業の課題を定性・定量的に明確にした上で説得力のある提案がしたいと思うようになりました。

分析ができるディレクターは付加価値の高い仕事ができる、よりキャリアの幅を広げられるとモチベーションは高まる一方、やはり転身には勇気がいるもので、決断には時間がかかりました。

今回の記事を通して、転身を迷っている方の不安を和らげることができればと思います。

なりたい自分になるために

分析ディレクターと必要なスキル

私が思い描く「分析ディレクター」とは、以下のようなディレクターです。

  • 分析の知識が豊富にあり、クライアントが感じている課題に対して、自ら定量的な分析を実施できる。
  • 分析結果を根拠として改善施策を提案することで、クライアントが安心して判断し施策を実行できるようにする。
  • クライアント目線に立った施策を推進し、クライアントの目標を達成してクライアントに信頼される。

また、分析ディレクターには、以下のスキルが必要です。

  • 課題を発見整理し、分析の要件(分析対象、計測指標、期間の決定など)定義ができるスキル
  • クライアントが使用しているツールの自在に操作できるスキル
  • クライアントへ伝わるようにレポートをまとめるスキル(文章力、統計力、思考や主張をまとめる力など)

運用ディレクターと分析ディレクターのギャップ

業務をする中で、運用ディレクターとは以下のような点でギャップを感じていました。

・より分析の専門的知識が求められる

もちろんですが、分析の専門的な質問(分析ツールの指標や定量的な結果の意味)を頻繁に受けるようになりました。
例)AdobeAnalyticsの離脱、バウンスの違い。訪問者、訪問、ヒットの違いなど

・より多くの部署と連携が求められる

WEB・広告・SNS・システムなど、分析結果に影響が出そうな各部署のイベントの把握や、分析ツールの改修が入った時の報告、影響があった時の調整など、連携が非常に多くなりました。どの部署がどんな課題を持ち、どんな分析依頼をもらい、リリース状況はどうなのかなど管理する必要もありました。
例)キャンペーンのリリース、広告のビジュアル変更など

・扱う分析ツールが増える

多くの部署の状況を理解し総合的に分析結果を出すため、扱うツールが増えました。
伴って、ABテストなど分析的なディレクションも増え、ソースコードのどこに分析ツールの情報を取得するものがあるのか、タグが発火されているかの確認など、分析ツールに合わせたコーディングの知識がある程度必要になりました。
例)AdobeAnalytics、googleトレンド、ヒートマップツール、AdobeTargetなど

ギャップを埋めるために取り組んだこと

ギャップを埋めて理想像に近づくため、まずは周囲から知見を吸収しクライアント依頼内容を正確に把握し返答できるようにすることが必要だと思いました。

より多くの分析と改善内容をインプットし、担当クライアントの状況に応用すること、多くの部署との良好なコミュニケーション方法とリリース状況の把握する方法を理解すること、ABテストなどの分析ツールに合わせたディレクションフローを理解することを目的として、具体的に以下に取り組みました。

・部署を横断した相談

月2回程度、自身の担当業界に近い業界の社内担当者に自らアポイントを取り、 主にPDCA活動を行うにあたってコミュニケーション方法、頻度、使用ツール、過去実施した分析と改善内容をヒアリングしています。自身の使用しているツールと使用方法、分析内容なども共有し、アドバイスもいただくようにしています。

・部署内のナレッジ共有会の実施

所属している部署は複数の案件を持っている部署のため、
情報の取扱いに関するルール(個人情報や顧客所有物データの削除など)を定めた上で、
都度クライアントへ提出した資料やプレゼン方法などを有志で共有しています。
自身の資料やプレゼン方法を共有し、アドバイスもいただくようにしています。

・ブログ記事から知識のインプットと部署内へナレッジ共有

週1回程度、メンバーズクリエイターブログや社外記事で分析知識のインプットと、所属部署のチームメンバーへ共有をしています。記事のテーマを通して、社内は気軽に部署外と繋がりを持てるように、社外はセミナー参加など機会創出のため参考になる記事を積極的に共有しています。

・社内勉強会やツール提供会社主催のセミナーへ参加

月2回程度分析ツール提供会社主催のセミナーや、部署全体の勉強会に参加し知識のインプットをしています。自身やクライアントのスキルアップのため、そこで得た知識をクライアントへ共有しています。

・分析ツール導入などの社内PJTに参加

社内プロジェクトのため気軽に相談しながら、勉強から実践までしています。自身のスキルアップはもちろん、今後分析のスキルを持った人材育成のため、分析ツール導入のマニュアルを作成し共有しています。

取り組み後の成果

ツールの操作方法を覚えることで、ヒートマップツールであるContentsquareやweb分析ツールであるAdobeAnalyticsを自在に操作し、クライアントに操作方法を教えることができるようになりました。またツールの知識が増えたことで、レポートの示唆出しの幅が増えました。例えば、これまでヒートマップツールをスクロール率やクリック率のみ見ていた場合も、コンバージョンした場合vs非コンバージョンした場合で比較し魅力率も一緒に確認しレポートで報告することができるようになった、という程です。当然、レポートの示唆出しの幅が増えたことにより、提案する施策数も増え、クライアントからありがたい言葉も貰っています。

まとめ

分析ディレクターは特に自ら仕事を獲得していく意識が必須だと常々感じています。都度上司のアドバイスを受けたり、過去チームメンバーが実施していたことを思い出したり、様々な取り組みを行うことで、分析ディレクターとして活動できる機会を自ら創出するようにしています。

日々明らかにスキルアップしていることが実感できるため、毎日が楽しいです。転身して本当に良かったと思っています。

転身前は今後のキャリアに不安を持っていたにも関わらず、今は分析人材の育成をしたい、分析業務の幅をもっと広げたいなど、キャリアに多くの希望を持っています。

やりたいことがあるけど不安で挑戦できない…はもったいないです。ぜひ挑戦してほしいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

菊地 真由

菊地 真由

2018年メンバーズに新卒入社。1年目は構築ディレクター、2〜4年目は運用ディレクター、5年目から分析ディレクターを担当。趣味は旅行。好きなものはムーミンとお酒(クラフトビール、ワイン)。

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